SiO2の薄膜が常識を覆す。無限の可能性を秘めた、表面加工・改質剤のネクスト・スタンダード。

製 品 概 要

[1] シリカシールドの特長

金属や樹脂の表面をガラス化

*本製品は、塗って乾燥させるだけで物質表面に薄いシリカ(SiO2)膜を形成する、1液タイプのコート材(シリカコーティング剤)です。
*常温下でも石英化しますので、加熱温度が限られる樹脂類や、大きさ・形状・設備環境等の問題で焼成が難しいものにも使用でき、おもに膜厚を調整することによって素材の表面に防汚・防食・親水・電気絶縁・ハードコートなどの機能膜を付加させることが可能です。
*これらの特性により、様々な素材の全部あるいは任意の箇所をきわめて簡単にガラス化することができ、ガラスの持つ優れた特性、例えば硬さ、耐久性、化学的安定性などを得ることができます。



様々な素材の全部あるいは任意部分を簡単にガラス化

*またトップコート材としてだけでなく、有機素材とも無機素材ともよく密着するという性質を生かして、基材-オーバーコート間のプライマーとしても非常に優れたパフォーマンスを発揮。密着性の問題を解決し、従来では難しかったマッチングが簡単に実現します。
*例えば、一部の有機素材に対する密着性が芳しくない塗料類や上塗剤などの場合、シリカシールドをベースコートとして使用することによって、有機素材の表面を容易く無機質化させることができ、密着性の改善に役立ちます。
*更に、特定の機能を持たせた超微粒子類を分散させ、無機系ハードコートバインダーとしても、様々な製品の開発が進められています。
*組成はSi-H、N-H、Si-N結合のみから構成される完全無機なポリマーで、大気中の水分と反応しシリカ転化します(触媒添加タイプ:SSN/SSL/SS-ALPHA)。

シリカシールドのユニークな特性により、現状の問題解決はもちろん、
従来では考えられなかった視点や発想から、新しい可能性が生まれます。

[2] 使用できる材料(基材)

*無機素材だけでなく、各種有機素材に対しても良好な密着性を示しますが、中には付き難いものもあります。

密着性 主な素材
非常に優れる PET PMMA アクリル ポリウレタン ポリエステル 金属 セラミック など
優れる ABS エポキシ ポリイミド ポリアミド など
普通 ポリカーボネート 塩ビ POM など
劣る ポリエチレン ポリプロピレン フッ素樹脂 など













[3] 用途

*常温~で緻密なシリカフィルムを形成。膜厚をコントロールすることで様々な機能を持たせることができます。

用途・目的 対象素材・物質等
防汚性・美観維持 車両/船舶/航空機、住宅/建築・構造物/看板、設備/機械/部品、日用品 など
無機プライマー 樹脂類・金属類 <-> 塗料、各種上塗剤、光触媒 など
親水性 樹脂類、金属類 など
平坦化 樹脂類、金属類、セラミック など
酸化防止 金属類
防食・耐薬品性 金属類、樹脂類
電気絶縁性 金属類
ハードコート 樹脂類、金属類、セラミック など



















[4] 膜厚限界と最小膜厚

10ナノメートルからの極薄ガラス膜

*基本的には膜を厚くするほど各機能性も高まりますが、クラックリスクも増加します。また、基材との熱膨張率の差などによっても異なるので一概には言えませんが、一般的なクラック限界は1~2㎛程度が目安となります。
*使途や目的によっては、薄くても十分に目的を果たせることもありますから、いたずらに厚くすればよいというものでもありません。個別の設定条件にもよりますが、例えば一般的な防汚目的の場合、およそ50nm程度から効果の発現を確認できるようになります。用途によってはそれ以下の膜厚で使用されているケースもありますので、評価試験をおこないながら、最適な膜厚や硬化プロセスを探っていく必要があります。
*最小から最大の範囲でいえば10nm~10㎛程度、一般(実用)的な範囲が50nm~2㎛程度ということになります。






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