使用液材の選択と、シリカシールドを使用する際の基本的な流れです。

加工手順 [1]

[1] 液種の選択

機能対応表(一例)。

用途・目的 適合液種
防汚性・美観維持 全シリーズ(基材材質、硬化条件、使用環境等により選択)
プライマー 全シリーズ(基材材質、硬化条件、使用環境等により選択)
平坦化 全シリーズ(基材材質、表面粗さ、硬化条件、使用環境等により選択)
親水性 全シリーズ(基材材質、硬化条件等により選択。常温硬化の場合は親水剤必須)
酸化防止・防食・耐薬品性 全シリーズ(基材材質、硬化条件、使用環境・条件等により選択)
電気絶縁性 全シリーズ(硬化条件、使用環境・条件等により選択) 焼成推奨
ハードコート ALPHA除く全シリーズ共通:型番末尾の数字が500以上の液種 焼成推奨
落書き防止・撥水性 SSN-AG5R、SSN-AG5R+ [SSN-SD50/100/ALPHA1]




















[2] 表面の洗浄・脱脂

シリカシールドは、加工面を清浄化しておかないと正しく密着しません。加工前に対象物表面の汚れや油分をよく取り除いておく必要があります。
 1. 一般洗剤、工業用洗剤などによる洗浄。
 2. アルコールや有機溶剤などによる洗浄。
 3. 超音波洗浄など。
*シリカシールドは水分と反応を起こしますので、洗剤を使って洗い流した場合などはよく乾燥させておいて下さい。
*十分な脱脂と完全な乾燥工程が、シリカシールド加工において非常に重要なポイントとなります。


[3] 塗布方法

ケースに合わせたいろいろな塗布手段

*加工対象物の大きさや形状に合わせて、様々な方法をとることができます。
 1. スプレー
 2. 布類(マイクロファイバークロスなど)、スポンジ等による塗り込み
 3. 刷毛、ローラー等の塗装用具
 4. ディップコート
 5. フローコート
 6. スピンコート
 7. ロールコート
 8. その他
*水分や他の薬液・薬品を含んでいるクロスや刷毛などは、シリカシールドと反応して事故につながる可能性があるので使用しないで下さい。
*シリカシールドは、大気中の水分と反応するので注意が必要です。特にディッピングやロール系など、シリカシールドを収めた液槽やバットが空気に触れている時間や表面積が多くなる加工法の場合は、不活性ガス雰囲気下でおこなうなどのコントロールが必要になる場合があります。
*効果や仕上がりを見ながら塗り回数を決定します。1~3回塗りが一般的です。
*塗布回数別のデータを取りながら最適な膜厚を探って下さい。この結果により、使用液種や加工プロセスの変更が必要になる場合があります。


[4] シリカ転化

*シリカへ転化させるためには次の方法があります。
 1. 常温放置(SSHシリーズ除く)
 2. 加熱
 3. 加熱+加湿(SSHシリーズ除く)
*上記のいずれかで転化させることができますが、必ずしも100%転化させなければ使えないということではありません。例えば常温で放置した場合、転化が完了するまでに数週間~の時間が必要とされていますが、塗布後数時間程度で実用的に全く問題なく使用できるケースがほとんどです。
次表にある転化温度を目安として、基材の耐熱温度および加工設備・環境、求める機能などを踏まえて硬化方法を絞り込んで下さい。
*液種にかかわらず、一般に加熱処理をした方が膜質は優れます。特に膜質の僅かな差が性能に影響を与えるバリア性、電気絶縁性、硬さなどを求める場合は、できるだけ高い温度で焼成して下さい。より緻密な膜となります。




ページトップ